ビッグイシュー説明会

ホームレス当事者と支援者向けの初めての説明会を「なごやボランティア・NPOセンター」にて、「ビッグイシュー・ジャパン」代表の佐野さんを交えて行いました
以下、新聞記事より

ホームレス支援誌「名古屋でも」 定価200円、うち110円が収入に /愛知県
ホームレスの自立を支援する雑誌「ビッグイシュー」。ホームレスだけが販売でき、定価200円のうち110円が収入になる。03年9月に大阪で日本語版が創刊され、その後、東京、横浜、仙台などへ販売の輪が広がっている。その雑誌を名古屋でも定着させようという取り組みが始まった。3日には名古屋市内で説明会が開かれた。(宮沢崇志)
 カラーの表紙を正面へ向け、その手を高く上へ伸ばす。「大きな声で『ビッグイシューいかがですか』って言うんです」。ビッグイシュー日本の代表の佐野章二さん(64)が、ホームレスの販売員たちが編み出したという雑誌の売り方を紹介した。「きつい仕事です。でも、なじみのお客さんが付けば励みになるものですよ」
 ビッグイシューは91年、英国で生まれた。ホームレスの人たちに収入の道をつくり、自立を支援する。03年には大阪で日本語版が創刊された。販売員に登録できるのはホームレスだけ。販売員は1冊90円で仕入れ、雑誌を街頭で定価200円で売る。差額の110円が収入になる。
 現在までに43号が発行され、佐野さんによると、合計で約130万冊が売れたという。1億4千万円ほどがホームレスの人たちの収入になった計算だ。
 名古屋での説明会を企画したのはホームレスの安全を守る夜回り活動などをしている「野宿労働者の人権を守る会」。メンバーの大竹良平さん(33)は「仲間たちが食っていく道を積極的に考えてみようという気持ちが高まった。保守的な名古屋の地で売れるのだろうかという心配もあるが、雑誌の認知度が上がった今なら、と佐野さんに来ていただいた」。
 この日、説明会に参加したのは十数人。ホームレスの男性2人も熱心に話を聞いた。57歳の男性は「アルミ缶集めもしんどい。だから半分は乗り気。心配なのは人見知りなので、買ってもらって『ありがとう』と言えるか。嫌がらせがないなら、僕としてはやりたい」と話す。
 実際に販売を始めるには、雑誌の仕入れの窓口や販売員の支援など、名古屋での体制づくりも必要だ。大竹さんたちは、ビッグイシューを支える会の設立を検討しているという。
 ビッグイシューの収支は赤字が出ているのが現状だ。佐野さんは「専門家に100%失敗すると言われながら2年5カ月続けてきた。名古屋でも発売できることになれば、活動もようやく地に足がつく」と期待を込めて話している。

 【写真説明】
「高く掲げ、大きな声で」。雑誌の売り方を紹介する佐野章二さん=名古屋市中区のなごやボランティア・NPOセンターで
朝日新聞2月6日付)