雑誌『ビッグイシュー』が定価300円になります

]2007年9月、雑誌『ビッグイシュー日本版』は4周年を迎えることができました。 この4年間で、669人が販売者に登録、58人が自立し、219万冊を販売、ホームレスの人々に2億4090万円の収入を提供しました。
また、この9月からは非営利団体ビッグイシュー基金(www.bigissue.or.jp)を発足させ、市民が市民をサポートする「敗者復活」市民応援事業を提案させていただき、さらにホームレスの人々の自立と社会復帰をサポートする体制を整えることもできました。

「99%ではなく100%失敗する」と専門家からいわれながらも、ホームレスの人々をビジネスパートナーにする、新しい社会的企業のしくみを社会に提案し続けることができました。

しかし、雑誌の価格は200円、うち販売者に110円、会社に90円という配分での経営は厳しいものでした。それでも、ビッグイシューを広く知っていただくことが先決と、この4年間頑張ってきました。
5年目のいま、諸般の事情に加え、雑誌を継続発行し、販売者の方々に仕事をつくり続け、ビッグイシューの試みを社会に定着させるため、10月15日号(81号)から雑誌価格を200円から300円にさせていただくことにしました。(発売1年以内の福岡、札幌では一定期間200円に据え置きます)

今回の値上げによって、ビッグイシューは以下のようなことを実現しようと考えています。

値上げにともない、販売者の収入は、1冊110円から160円に増えます。
現在の1日平均販売数が20〜25冊で、収入は2200〜2750円ですが、これが3200〜4000円に増えます。
これにより脱路上→アパート借り住所もつ→就業という自立への3ステップが、アパート借りる→就業の2ステップへ短縮される可能性もでてきます。

また、ネットカフェにいる不安定就労者や若いホームレスの人々が、1冊160円の収入であれば、1日20冊販売すれば、なんとか野宿をしないで屋根のあるところに泊れるようになります。ビッグイシューの販売という仕事が、ささやかですが、社会のセーフティネットの役割を果たすことになります。

それ以外にも・・・
①4ページ増やして誌面を充実させます。さらに8ページ増をめざします。
②ホームページに地図情報検索システム(マピオン)などを導入して、お客さまに雑誌を買っていただきやすくなるようにします。
③会社は、広告などでも増収を図りビッグイシュー基金を支え、さらに人々の再チャレンジを応援するような社会的気運をつくりたいと願っています。

なにとぞ、ビッグイシュー誌の値上げの趣旨と内容にご理解いただきますよう、心よりお願い申し上げます。

2007年10月15日
有限会社 ビッグイシュー日本
代表 佐野 章二