記事紹介(名古屋タイムス)

名古屋タイムス(4月10日)に取材記事が掲載されましたので紹介します
以下より紙面からの転載です(rideti)

ホームレス自立を後押し
「雑誌販売」の仕事を提供
雑誌販売で社会復帰をー。ホームレスの自立を支援する雑誌「ビッグイシュー日本版」が15日朝から、名古屋市内2ヶ所(名駅、栄)で販売される。支援グループ「ビッグイシュー名古屋ネット」はこのほど、日本版代表の佐野章二さん(64)を大阪から招き、日本福祉大名古屋キャンパス(同市・鶴舞)で決起集会を開いた。
ビッグイシュー」15日デビュー
ビッグイシューは、ホームレスに「雑誌の販売員」という仕事を提供、その収入で自立してもらうのが目的。販売員は1冊200円のビッグイシューを90円で仕入れ、路上で販売。1冊当たり110円の差額が収入になる。「販売員を始めようにも元手がない」というケースも多いため、初回のみ販売員全員に10冊を無償提供する。名古屋ネットのメンバーは集会前、佐野さんらと市内繁華街を視察。路上販売に適した地点をピックアップ。集会では、各販売員の担当地域や販売時間を決定。15日から数日間は、メンバーも付き添い、名古屋での認知度の低いビッグイシューをPRする。佐野さんによると、販売員は全国9都市合わせて約120人。販売員を経験後、期間限定のガードマンなどに仕事を切り替えた人も多いというが、「一時的な仕事だから、果たして社会復帰といえるだろうか」と心配する。佐野さんが社会復帰と見なす「週5日労働」に復帰したのは15人前後で、一番の成功者は大川次男さん(65)。大川さんは2年半ほど前から京都市内で販売員をしていたが、今年3月末に”卒業”。6月中に大阪市中央区でそば店を開業する予定で、現在は準備に追われているという。
名駅、栄の路上で
名古屋でビッグイシューを販売、社会復帰を目指すのは、阪口仁範さん(58)ら3人。アルミ缶回収などで生計を立てているが、今後はビッグイシュー1本に絞るという。「われわれが販売する姿を見て、一人でも多くの人が参加してくれれば」(阪口さん)名古屋ネットは2月、名古屋市内で行われたロックバンド「バンプ・オブ・チキン」のライブ会場で、ビッグイシューをテスト販売。同バンドの記事が掲載されていたこともあり、600部が完売。テストは大成功。だが懸念もある。名古屋ネットのメンバーの古澤礼太さん(35)は「実は、見切り発車。サポート組織を確立させねばならないが、資金や支援者は少なく、事務所もない。大阪(ビッグイシュー大阪事務所)から届いた雑誌もメンバーの家などで保管しているのが現状」と話す。阪口さんも「テスト販売は成功したけど、保守的といわれる名古屋で果たして売れるのか。やってみないことには分からない」と不安を見せた。だが、「頓挫するのも癪だ。何とかしていこう!」と力強く宣言した。名古屋市によると市内のホームレス人口は、昨年6月時点で1036人。国が実施した2003年1月の調査(1788人)と比較して、約4割が減少。市はその原因を「自立支援センターなどの成果」としているが、ボランティア関係者によると「再び路上に戻ってくる人も多い」という。「名古屋は日本第3の都市。大阪をしのぐ勢いで(ビッグイシューが)盛り上がりホームレスが自立できるようになってほしい」(佐野さん)
問い合わせはビッグイシュー名古屋ネットbigissue_nagoya@yahoo.co.jp

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ビッグイシュー
ホームレスの自立支援を目的に1991年、英国ロンドンで創刊された雑誌。ホームレスが販売員を務め、路上で販売する。日本版は2003年9月、大阪で創刊。大阪のほか東京など9都市で販売されている。発売日は毎月1、15日から数日間。内容は若者から見た社会問題、文化、芸術など。購買層は20−30代が過半数を占める。