毎日新聞 4月13日朝刊 19面より転載

英国で創刊 ホームレス自立支援オピニオン誌
ビッグイシュー日本版」 名古屋で発売へ
路上生活者(ホームレス)の自立支援のため、各国で発売されているオピニオン誌ビッグイシュー」が15日から名古屋市で販売される。同誌は、路上生活者自身が販売し、収入を得る仕組みで、当面3人でスタートする。
12日、路上生活者の男性(57)が同市役所で会見し、「後に続いてくれる人が1人でも2人でも現れてほしい」と抱負を語った。
同誌は91年に英国で創刊。27カ国50地域で制作・販売されており、日本では03年9月、大阪で創刊した。貧困問題や環境問題といった社会問題から、映画やアーティスト情報の娯楽記事まで多彩な構成となっている。
国内では有限会社「ビッグイシュー日本」(本部・大阪、佐野章二代表)が発行。路上生活者は”販売代理店”の形態をとるが、販売価格200円のうち、路上生活者は90円で仕入れ、110円が収入になる。既に、大阪や東京、千葉、横浜など10都市の約120人が販売し、月2回のペースで、これまでに47号発刊し、計157万冊が売れた。
名古屋市ではJR名古屋駅脇の交番前や、名鉄近鉄名古屋駅前、栄・松坂屋周辺の計3ヶ所で販売する。
「野宿労働者の人権を守る会」のメンバーが中心となって設立した「ビッグイシュー名古屋ネット」が支援していく。名古屋ネットは販売員への雑誌の受け渡しや支援者探しなどを行っていくが、事務所確保のためのカンパやボランティアを募集している。問い合わせは同ネットbigissue_nagoya@yahoo.co.jpへ。